スーパーアイドル!平維盛-1【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】(イケメンは史実!)

『建礼門院右京大夫集』で一番初めに登場する平家の公達は、美貌の持ち主・平維盛。
あらすじを漫画でどうぞ。

『建礼門院右京大夫集』<6・7歌詞書>より 

※漫画は、えこぶんこが脚色しています。
◆解説目次◆ ・登場人物
・まるで光源氏!宮中のスーパーアイドル
・警固の姿に・・・ときめき?

登場人物

右京大夫 うきょうのだいぶ
中宮・平徳子に仕える女房。

平維盛 たいらのこれもり
平清盛の長男[重盛]の長男。資盛の兄。

藤原実宗 ふじわらのさねむね
藤原公通の長男。琵琶の名手。

まるで光源氏!宮中のスーパーアイドル

平安時代の美男子と言えば誰を思い浮かべますか?
在原業平?藤原伊周?

私えこぶんこは、ダントツでこのお方・平維盛様だと主張します!!

右京大夫は、維盛の美貌を下記のように絶賛しています。

際ことにありがたかりし容貌用意(かたちようい)、まことに昔今見る中に、例(ためし)もなかりしぞかし。されば折々には、めでぬ人やはありし。
法住寺殿の御賀に、青海波舞ひての折などは、「光源氏の例も思ひ出でらるる」などこそ、人々言ひしか。


【現代語訳】
維盛さまの際立って類まれなご容姿と、心遣いといったら、昔今見るなかで他に例がなかったほどでした。だから折々に、彼のことを賞賛しない人はいませんでした。
法住寺殿で行われた後白河法皇の五十の御賀で、青海波を舞ったときなどは、「光源氏の例も思い出される」などと、人々は言ったものでした。

『建礼門院右京大夫集』215・216歌詞書

べた褒めですね・・・(@ - @)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

歴史上の人物の評価などは、後世に伝説化されていて事実か否か確かめようもないものが多々ありますが、維盛の場合は、違います。
彼の容姿を絶賛したのは彼女だけじゃないですからね。

一級史料として名高い九条兼実の日記『玉葉』でも、下記のように評されています。

■「維盛容顔美麗、尤足歎美(安元2年1月23日条)
 …容顔美麗、尤も歎美するに足る

■「少将維盛、重盛卿子、衆人之中、容顔第一也」(承安5年5月27日条)
 …衆人の中、容顔第一

やっぱり、べた褒めですね。
平維盛美形説は、ガチ!と言っていいでしょう。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ところでこの方、ご存じ、右京大夫の恋人・平資盛のお兄さんです。

異母兄弟ですが、資盛も美男だったのか。
そこんところは、

・・・・・特に資料がありません。(ーー;)
(平家物語では似ていたことになっていますが。)

当の右京大夫も、恋人資盛のこととなると、色々ぼかして書くので・・・。




警固の姿に・・・ときめき?

賀茂祭の時、六衛府の官人は内裏の警固にあたりました。
どうも、この凛々しい武官の姿には、魅力数倍増しの萌え要素があったんではないかという気がする・・・。

『建礼門院右京大夫集』には、こんな話も。

宮中で火事があったときに、当時右近衛大将であった平重盛(維盛資盛兄弟のお父さん)が、矢を背負って中宮の御座所に参上しました。その様子が、とても立派で雄々しく思ったそうです。<58歌詞書>

 (火事に矢はいらないんじゃ・・・、というツッコミはなしです。右近衛大将として中宮様をお護りする、という気概です。^^;)

※原文では、維盛ははじめ二藍の直衣の姿で登場し、その後賀茂祭の警固の姿の話に移ります。漫画ではこれを回想と捉えて描いています。(2023年修正しています)



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※出典・参考文献/久保田淳氏校注『建礼門院右京大夫集・とはずがたり』新編日本古典文学全集、小学館/糸賀きみ江氏校注『建礼門院右京大夫集全注釈』講談社/梶原正昭氏・山下宏明氏校注『平家物語』新日本古典文学大系、岩波書店/『玉葉』国書刊行会

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【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】
<プロローグ>
■建礼門院右京大夫集ってどんなお話? 1

<これが平家の公達だ!編>
■スーパーアイドル!平維盛 1
■唯一の弱点?!維盛の恋愛問題 1
■平家のムードメーカー!平重衡
■真面目な琵琶名人!平経正 1
■主役登場はさりげなく!平資盛 1

<資盛との恋~宮中編~>
■恋なんてしないはずが?資盛のアプローチ
■忘れていたのはどっち?資盛の挑発
■雪のあした。資盛、突然の訪れ
■バレたくなかった!重衡・維盛の反応 1
■右近の橘!雪の資盛

<宮中エピソード編>
■内裏近き火事。頼もしい平重盛
■後白河院最愛の美女!建春門院滋子登場
■本気で褒めたのに!高倉天皇の優しさ
■五節の櫛!平宗盛のプレゼント

<隆信との恋編>
■どういうつもり!藤原隆信の横恋慕 1
■右京大夫、宮仕えやめるってよ
■わたしは何なの?隆信の結婚
■恋は追う方が負け?

<平家滅亡編>
■遠くに聞くだけ。資盛の熊野詣
■資盛との再会■枯れたる花
■寿永二年■倶利伽羅峠の惨敗!
■平家都落■資盛、最後の願い
■資盛と右京大夫、今生の別れ!
■六波羅と西八条■大宰府落ち
■戦地の資盛の夢を見る
■梅の花と資盛■一の谷の合戦
■重衡の生け捕り■維盛の入水
■屋島の資盛へ手紙を
■資盛からの最後の便り!
■壇ノ浦の戦い! ■壇ノ浦の戦後処理

<追憶の旅編>
■北山の思い出
■大原へ。建礼門院を訪ねて 1
■右京大夫、旅に出る
■比叡坂本、雪の朝の思い出
■波の底の資盛に■星合の空

<再出仕編>
■後鳥羽天皇に仕える
■宮中で資盛の名を聞く
■藤原隆房、藤原公経との贈答
■藤原俊成九十の賀に

<エピローグ>
■読み継がれる右京大夫集

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