藤原隆房、西園寺公経との贈答【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】

以前の宮仕えで交流のあった藤原隆房、藤原実宗の子・公経登場。

あらすじを漫画でどうぞ。
『建礼門院右京大夫集』<351歌詞書>より
漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。

◆解説目次◆ ・登場人物
・昔のこともおのずから言ふなど
・西園寺公経! 

登場人物

右京大夫(うきょうのだいぶ)
平徳子(建礼門院)に仕えていた女房。現在は後鳥羽院に仕えている。 

藤原隆房(ふじわらのたかふさ)
平清盛の娘婿。

藤原公経(ふじわらのきんつね)
藤原実宗の子。詳細は後述。

昔のこともおのずから言ふなど

以前の宮仕えで交流のあった懐かしい人物の名が再び登場しました。

藤原隆房は、こちらの話
藤原実宗は、こちらの話に登場しています。

藤原隆房は、清盛の娘婿。没落後の建礼門院を支援したとも言われ、平家と親交の深い人物でしたが、後白河院にもよく仕えていたので、平家滅亡後も政界に留まり続けました。

右京大夫にとって隆房は、「こればかりは、昔のこともおのずから言ふなどする人なれば」(この方だけは昔のこともたまにお話する人)だったそうです。
平家は朝敵として一掃されてしまったので、往時を知る隆房は、再出仕後の右京大夫の心の支えになっていた人物だったかもしれませんね。

今回の話では、隆房の身内に嘆くことがあったとのことですが、父・隆季の喪に服したことではないかと考えられています。


西園寺公経!

出ました、ビッグネーム!
右京大夫集を読んでいると、大物の名がいきなりヒョコっと出てくるところが面白い。

藤原公経(西園寺公経)
実宗の子ですが、大物政治家なので、この方を説明しようとすると、ものすごい情報量になります・・・。

■四代将軍・頼経の祖父
公経は源頼朝の姪を妻とすることで、鎌倉幕府と強い関係を築き、三代将軍・実朝が暗殺された際には、自分の外孫である藤原頼経を将軍後継者として鎌倉に送り出しました。

■朝幕間の折衝役
公経は幕府側に通じた人間として、承久の乱の直前には後鳥羽上皇に幽閉されましたが、乱後には幕府の支援を得て、太政大臣にまで昇り詰めました。その後も朝幕間の折衝にあたり、彼の地位は「関東申次」という正式な役職として子孫に引き継がれていきました。

■天皇の曾祖父
孫を後嵯峨天皇の中宮にし、その皇子を皇太子としました。(のちの後深草天皇)

■西園寺の建立
京都・北山に西園寺を建立。のちにこの場所を足利義満が譲り受けました。(北山第・のちの鹿苑寺金閣)

■百人一首
百人一首に[入道前太政大臣]として入集していることでも有名です。
花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
[百人一首 96番]

■実は資盛とも関係がある
公経の母は、藤原基家の娘。実は資盛の正妻の姉妹です。
ということは公経は、資盛にとって、義甥にあたるのか・・・。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

それにしても、右京大夫の交友関係はすごいですね!
(公経への和歌は代作ですが)

ともすれば、「資盛の恋人」という肩書で見られがちな彼女ですが、いやいや彼女は宮廷女房として一角の人物です。



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※参考文献『平家物語』新日本古典文学大系、岩波書店/『平家物語』新編日本古典文学全集、小学館/久保田淳氏校注『建礼門院右京大夫集・とはずがたり』新編日本古典文学全集、小学館/糸賀きみ江校注『建礼門院右京大夫集全訳注』講談社学術文庫、講談社/『平家物語大事典』東京書籍/高橋昌明氏『平家の群像』岩波新書、岩波書店 2009年/角田文衛氏『平家後抄』朝日新聞社 1981年/

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<プロローグ>
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<これが平家の公達だ!編>
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<宮中エピソード編>
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■右京大夫、宮仕えやめるってよ
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■北山の思い出
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■比叡坂本、雪の朝の思い出
■波の底の資盛に■星合の空

<再出仕編>
■後鳥羽天皇に仕える
■宮中で資盛の名を聞く
■藤原隆房、藤原公経との贈答
■藤原俊成九十の賀に

<エピローグ>
■読み継がれる右京大夫集

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