平重衡・平維盛、隅に置けない平家男子 2【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】平家物語

右京大夫と資盛との恋仲を知った、重衡と維盛。平家若手を代表するイケメン貴公子2人がとった、まさかの行動とは・・・?
あらすじを漫画でどうぞ。

『建礼門院右京大夫集』<197・215番詞書>より

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漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。


◆解説目次◆ ・隅におけない平家男子
・おなじ野の露(右京大夫v.s.平重衡)

隅に置けない平家男子


資盛の恋人になったら、なぜか重衡と維盛から口説かれた、というお話でした。

この二人、一体どういうつもりなんでしょうね。

重衡維盛も、『右京大夫集』を見る限り、人一倍気遣いのできる常識人なので、まさか甥や弟の恋人を本気で落とそうなんて鬼畜なことはしないでしょう。



おそらく、身内の恋人になったんだから、遠慮なく打ち解けてくれていいよ、ってことが言いたかったんではないかと。

こういうことをサラリと言えてしまう平家男子は、やっぱりカッコイイですね。

かっこいい平家。平維盛と平重衡と平資盛、建礼門院右京大夫集平家物語

資盛からみて、重衡は叔父、維盛は兄です。(年齢はそんなに変わりません)



おなじ野の露(右京大夫vs平重衡)

右京大夫が、重衡に詠んだ歌
〔197番〕
濡れそめし 袖だにあるを おなじ野の 露をばさのみ いかが分くべき


【訳】
あの人(資盛)によって涙に濡れはじめた袖だけでももてあましているのに、このうえさらにどうして同じ野の露を分けましょうか。(同じ一門の男性と恋路に分け入ることなどできましょうか)

『古今集』の「紫草の歌」を引用して言い寄る重衡を(漫画参照)、右京大夫はうまくかわしていますね。

原文では、重衡とのやりとりには続きがあって、

大方は憎からず言い交わして、「はてまでもかやうにだにもあらむ」と言はれしかば、
(だいたいは好意があるようなやりとりをして、重衡が「いつまでも、このようなお付き合いだけでもしましょう」と言われたので)

右京大夫は次の歌を詠みました。

〔198番〕
忘れじの 契りたがはぬ 世なりせば 頼みせやまし 君がひとこと


【訳】
「忘れまい」という約束が破られない世の中でしたら、あなたの一言をあてにもしましょうが、男の方の言葉はあてになりませんからね。

・・・ん?
なんか、仲いいな。

和歌が恋愛口調なのはよくある貴族の戯れでしょうが、「はてまでもかやうに」(いつまでもこんなふうに)とまで言うってことは、重衡は右京大夫のことが気に入っていたんでしょうか。

モテますね。

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系図で確認。実は、右京大夫が一番年上なんですね。

平氏平家系図。平家物語



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

次回は、コラムです。
次々回からは、建礼門院右京大夫集「宮中エピソード編」が始まりますので、お楽しみに!



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※参考文献/『建礼門院右京大夫集・とはずがたり』新編日本古典文学全集、小学館/『建礼門院右京大夫集全注釈』講談社学術文庫/『平家物語』新日本古典文学大系、岩波書店


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■大原へ。建礼門院を訪ねて 1
■右京大夫、旅に出る
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■後鳥羽天皇に仕える
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■藤原俊成九十の賀に

<エピローグ>
■読み継がれる右京大夫集

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