完結!読み継がれる右京大夫集【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】|もう一つの平家物語
『建礼門院右京大夫集』は、藤原定家に提出された。そして、読み継がれ、現代へ・・・。 『建礼門院右京大夫集』<跋文・350歌詞書>より 漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。 ◆解説目次◆ ・登場人物 ・『右京大夫集』と藤原定家 ・御礼とお知らせ 登場人物 右京大夫(うきょうのだいぶ) 平徳子(建礼門院)に仕えていた女房。後に後鳥羽院に仕える。 藤原定家(ふじわらのさだいえ・ていか) 俊成の子。『新古今和歌集』『新勅撰和歌集』『小倉百人一首』選者。 『右京大夫集』と藤原定家 ・・・定家さまぁぁぁあああ!!! 定家の心遣い……神! 藤原定家 といえば、言わずと知れた古典文学史に燦然と輝く、 神! のようなお方です。 『新古今和歌集』『小倉百人一首』 等の選者としても勿論有名ですが、 この方の、文学史上最大の偉業といえば、鎌倉時代初期の段階で、既に過去になりつつある 平安時代の文学を複写しまくった ことです。 コピー機もない時代、定家によるこの作業がなかったら、『 源氏物語』『枕草子』『土佐日記』『更級日記』 など、我々が現在も慣れ親しんでいる古典文学は、とうに散逸していたかもしれない・・・。 そういった意味で、本当に 神! のようなお方なわけです。 さて右京大夫は、藤原定家と同時代の人物ですが(俊成を通じた親戚でもあります)、 この 『建礼門院右京大夫集』 も、定家からの依頼がなければ、存在していなかったかもしれない…… というところで、やはり定家は 神! だと思わずにはいられませんね。 定家さま、ありがとう。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ……と、ここまで書いておいてアレなんですが、 厳密にいうと、後世に流布していった『右京大夫集』は、定家に提出された本そのものではありません。 右京大夫の長年の友人である 七条院大納言 に渡した別の本が原本になっています。 なぜわかるかというと、奥書にそう書いてあるから。 (そのまんま) それに、定家に提出した草稿には、この「定家が云々…」のくだりは載っていないらしい。メタ的に。 (なるほど) どういうことかというと、おそらく… 定家より依頼があってから、右京大夫は歌集としての体裁を整え、写本を定家に提出。 それとは別に手元に残しておいた原本に跋文を加え、それを友人である七条院大納言に見せた。