まじめな琵琶名人!平経正-1【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】|平家物語青山

平経正は琵琶の名人。経正を含む平家の身内で、春夜の宴がはじまりました。
あらすじを漫画でどうぞ。
『建礼門院右京大夫集』<95~98番詞書>より 
古文の建礼門院右京大夫集と平家物語の平経正と平維盛の西八条の、えこぶんこの漫画イラストです
建礼門院右京大夫集と平家物語の平経正と平維盛と藤原隆房が西八条邸で春頃宴をした漫画イラストです
建礼門院右京大夫集と平家物語の平経正と平維盛と藤原隆房が徹夜の宴をしたえこぶんこの現代語訳漫画イラストです
建礼門院右京大夫集と平家物語の平経正と平維盛と藤原隆房が春頃の宴をした現代語訳漫画イラストです
漫画は次回につづきます。
漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。

◆解説目次◆ ・登場人物
・栄華の絶頂を彩る、雅な一夜
・平家栄華の舞台!西八条邸と六波羅
・平家を語るキーパーソン!藤原隆房

登場人物

平経正 たいらのつねまさ
清盛の甥。琵琶の名人。

藤原隆房 ふじわらのたかふさ
清盛の娘婿。

右京大夫 うきょうのだいぶ
中宮・平徳子に仕える女房。

栄華の絶頂を彩る、雅な一夜

か・・・完徹?! 
これって、今でいう徹夜カラオケ・・・。いやいや、花と月を愛で、詩歌管弦を楽しむ、雅な一夜です。

平安時代には、「庚申待」といって、寝ずに夜通し宴会をするといった宗教儀式もあったくらいですので、 楽しすぎて夜を明かすっていうのも、ぶっとんだ行為ではなかったのかもしれません。 西八条邸は清盛の私邸ですので、宮中とは違い、身内だけのリラックスした雰囲気だったんでしょう。


栄華の舞台!西八条邸と六波羅邸


この宴会が開かれた西八条邸は、広大な清盛の私邸です。場所は、現在の京都鉄道博物館の付近・梅小路公園がある辺り。
(現代の建物を重ねるとこんな感じです↓)
西八条邸 京都鉄道博物館 京都水族館
西八条邸

洛中における平家の拠点であり、多田行綱が鹿ケ谷の陰謀を密告した場所、祇王や仏御前が清盛の前で舞った場所等、数々の物語の舞台となりました。清盛が福原に退居したのちは、平時子がここを守っていました。
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一方平家一族の本拠地は、都の東、六波羅にありました。清盛の祖父・正盛がここに目をつけ御堂を建立し、忠盛が邸を築き、清盛がさらに大きく発展させました。
その範囲は、東西五町(約550メートル)、南北八町(約870メートル)にもわたり、平家一族の家がびっしりと立ち並んでいたといいます。
地図は、「平家物物語必携」(學燈社)「平家物語図典」(小学館)を
参考にさせていただき、えこぶんこが作成しました。




古文の平家物語の法住寺殿の蓮華王院(三十三間堂)の地図の、えこぶんこの漫画イラストです
六波羅と小松殿


 [1]六波羅
清盛が本拠とした泉殿、頼盛の池殿、教盛の門脇殿、など、一族郎党の家が立ち並んでいました。

[ 2]法住寺殿
後白河院の御所。院政政治の拠点でした。
維盛が伝説級の青海波舞を舞ったのは、ココです。
治承三年のクーデターでは、平家軍がこの御所を包囲しました。

[ 3]蓮華王院(三十三間堂)
1164年建立。平清盛から後白河院へのプレゼントです。

[4]小松殿。
平重盛とその息子達(小松家)の館がありました。
地図で見ると、院御所ととても近いですね。

実際、後白河院と小松家は、特別親密な関係にありました。 重盛は、後白河院からの信頼も厚く、父・清盛との間の調整役でした。鹿ケ谷の陰謀で、後白河院を咎めようとする清盛を諫めた話は有名です。
重盛の次男資盛(そう、右京大夫の恋人)も、院近臣と同じように後白河院の側近くに仕えていたと言われています。

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平家の栄華の舞台となった西八条邸と六波羅邸でしたが、寿永二年、都落ちの際に自ら平家一門の手によって焼き払われ、一瞬のうちに灰塵となってしまいました。

のちに鎌倉幕府が、朝廷の監視のために、六波羅の地に設置したのが六波羅探題です。





平家を語るキーパーソン!藤原隆房

ふらりと宴に飛び込み参加した、藤原隆房。 フジワラさんですが、彼は平家の身内です。

 彼の家系は、鳥羽院の近臣であった祖父・家成の代から平家と親しく、平家と持ちつ持たれつの関係にありました。 父・藤原隆季の妹(経子)が重盛の正室に、さらに隆房自身も清盛の娘を正室にしており、血縁でもガッツリ平家と絡んでいます
最も平家の近くにいた人物の一人ですが、後白河院にもよく仕えていたので、平家都落ち後も政界に残り、その子孫は四条家として栄えました

とはいえ、隆房は平家を見限ったわけではなく、没落後の建礼門院(徳子)を支援するなど、平家への義理を持ち続けた人でした。 右京大夫にとっては、後年憚ることなく往時を語り合える、数少ない相手であったようです。〔331番・332番詞書〕

隆房は、平家の絶頂期を真近で見た、貴重な語り部として、たびたび平家関連の作品に登場します。 隆房本人が記した「安元御賀記」。また、鎌倉時代に成立した「平家公達草子」(作者未詳)でも、語り部の役割で登場します。

※参考 「平家後抄」角田文衛氏(朝日選書)

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この平家公達草紙というのがなかなか面白くて、 維盛のプライベートに付き纏う藤原隆房だとか、内裏で女房たちにドッキリをしかける重衡だとか、 愉快なお話が載っています。
 これらのエピソードが後世の創作だったとしても、 血縁の近い維盛と隆房は仲良しで、 重衡は内裏のムードメーカー的なキャラクターだという風に認識されていたということは、面白いですね。

古文の平家公達草紙と平家物語の平重衡と平維盛と藤原隆房が、高倉天皇と建礼門院右京大夫を驚かせた話の、えこぶんこの漫画イラストです
参考:「建礼門院右京大夫集 付平家公達草紙」(岩波文庫)「平家公達草紙」(笠間書院)
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 初登場・平経正さんについては、次回詳しくツッコミます!



平家公達草紙: 『平家物語』読者が創った美しき貴公子たちの物語



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※参考文献/「建礼門院右京大夫集・とはずがたり」新編日本古典文学全集(小学館)久保田淳氏/「建礼門院右京大夫集全注釈」(講談社)糸賀きみ江氏/「平家物語」新日本古典文学大系(岩波書店)梶原正昭氏・山下宏明氏

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【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】
<プロローグ>
■建礼門院右京大夫集ってどんなお話? 1

<これが平家の公達だ!編>
■スーパーアイドル!平維盛 1
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■平家のムードメーカー!平重衡
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<宮中エピソード編>
■内裏近き火事。頼もしい平重盛
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■どういうつもり!藤原隆信の横恋慕 1
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<再出仕編>
■後鳥羽天皇に仕える
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【コラム】
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■平家物語あらすじと見所