枯れたる花。平資盛の苦悩【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】


遂に出会えた資盛と右京大夫。けれども資盛は、以前と様子が違っていて・・・。
あらすじを漫画でどうぞ。
『建礼門院右京大夫集』<168番詞書>より
漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。

◆解説目次◆ ・登場人物
・源平の戦いはもう始まっていた。
・公達たちの栄華と没落 

登場人物

平資盛(たいらのすけもり)
清盛の長男[重盛]の次男。右京大夫の恋人。

右京大夫(うきょうのだいぶ)
中宮・徳子に仕える女房。現在は退職。

戦いはもう始まっていた。

漫画が誤解を招きそうなので、最初に謝っておきます。

資盛、まだ生きてます。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

『右京大夫集』に合戦の話自体は出てきませんが、この頃平家は、各地の反乱の鎮圧に追われていました。

この頃の平家の戦いと、記録に残っている参加者を見てみましょう。
治承4年(1180)
  10月 富士川の戦い(平維盛、平忠度、平知度など)
  12月 近江源氏・美濃源氏との戦い(平資盛、平知盛、平通盛、平維盛など)
    南都焼討(平重衡など)

治承五年(1181)
  4月 墨俣川の戦い(平重衡、平維盛、平通盛、平忠度など)

ほんの二年ほど前まで、右京大夫と宮中で優雅な交流をしていた公達ばかりですね。
右京大夫は、平家の全盛期に宮中を去っていますので、優美で華やかだった彼らしか知りません。

ところが、そのわずか数年後には、彼らは甲冑を来て、何度も戦場に向かわなくてはならなくなっていました。



公達たちの、栄華と没落

もともと平家は、「軍事貴族」と呼ばれる、武力によって朝廷や院に仕える存在でしたから、元の姿といえばそうなのですが、
資盛たちの世代は、平治の乱(1160年)以降の平和な時代しか知りません。

ほんの数年の間で起きた、境遇のあまりの変化を、資盛たち当事者はどう感じていたのでしょうか。

右京大夫が宮仕えを退いたのは1178年。
平家滅亡は、1185年。わずか七年後の話です。

ここまで短期間に、栄華の絶頂と没落を同時に味わった一族は、なかなか稀有で、それが『平家物語』が一際哀れを誘う所以となっています。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

次回に続きます。



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※参考文献/久保田淳氏『建礼門院右京大夫集・とはずがたり』新編日本古典文学全集(小学館)/糸賀きみ江氏『建礼門院右京大夫集全注釈』(講談社)/『平家物語』新日本古典文学大系(岩波書店)

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【記事一覧】他のお話はこちらからどうぞ!

【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】
<プロローグ>
■建礼門院右京大夫集ってどんなお話? 1

<これが平家の公達だ!編>
■スーパーアイドル!平維盛 1
■唯一の弱点?!維盛の恋愛問題 1
■平家のムードメーカー!平重衡
■真面目な琵琶名人!平経正 1
■主役登場はさりげなく!平資盛 1

<資盛との恋~宮中編~>
■恋なんてしないはずが?資盛のアプローチ
■忘れていたのはどっち?資盛の挑発
■雪のあした。資盛、突然の訪れ
■バレたくなかった!重衡・維盛の反応 1
■右近の橘!雪の資盛

<宮中エピソード編>
■内裏近き火事。頼もしい平重盛
■後白河院最愛の美女!建春門院滋子登場
■本気で褒めたのに!高倉天皇の優しさ
■五節の櫛!平宗盛のプレゼント

<隆信との恋編>
■どういうつもり!藤原隆信の横恋慕 1
■右京大夫、宮仕えやめるってよ
■わたしは何なの?隆信の結婚
■恋は追う方が負け?

<平家滅亡編>
■遠くに聞くだけ。資盛の熊野詣
■資盛との再会■枯れたる花
■寿永二年■倶利伽羅峠の惨敗!
■平家都落■資盛、最後の願い
■資盛と右京大夫、今生の別れ!
■六波羅と西八条■大宰府落ち
■戦地の資盛の夢を見る
■梅の花と資盛■一の谷の合戦
■重衡の生け捕り■維盛の入水
■屋島の資盛へ手紙を
■資盛からの最後の便り!
■壇ノ浦の戦い! ■壇ノ浦の戦後処理

<追憶の旅編>
■北山の思い出
■大原へ。建礼門院を訪ねて 1
■右京大夫、旅に出る
■比叡坂本、雪の朝の思い出
■波の底の資盛に■星合の空

<再出仕編>
■後鳥羽天皇に仕える
■宮中で資盛の名を聞く
■藤原隆房、藤原公経との贈答
■藤原俊成九十の賀に

<エピローグ>
■読み継がれる右京大夫集

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