枯れたる花。平資盛の苦悩【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】
あらすじを漫画でどうぞ。
『建礼門院右京大夫集』<168番詞書>より
漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。
登場人物
清盛の長男[重盛]の次男。右京大夫の恋人。
右京大夫(うきょうのだいぶ)
中宮・徳子に仕える女房。現在は退職。
戦いはもう始まっていた。
資盛、まだ生きてます。
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『右京大夫集』に合戦の話自体は出てきませんが、この頃平家は、各地の反乱の鎮圧に追われていました。
この頃の平家の戦いと、記録に残っている参加者を見てみましょう。
ほんの二年ほど前まで、右京大夫と宮中で優雅な交流をしていた公達ばかりですね。
右京大夫は、平家の全盛期に宮中を去っていますので、優美で華やかだった彼らしか知りません。
ところが、そのわずか数年後には、彼らは甲冑を来て、何度も戦場に向かわなくてはならなくなっていました。
公達たちの、栄華と没落
資盛たちの世代は、平治の乱(1160年)以降の平和な時代しか知りません。
ほんの数年の間で起きた、境遇のあまりの変化を、資盛たち当事者はどう感じていたのでしょうか。
右京大夫が宮仕えを退いたのは1178年。
平家滅亡は、1185年。わずか七年後の話です。
ここまで短期間に、栄華の絶頂と没落を同時に味わった一族は、なかなか稀有で、それが『平家物語』が一際哀れを誘う所以となっています。