内裏近き火事!たのもしい平重盛【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】平家物語

宮中エピソード編・第一弾は、平重盛登場! 内裏の近くで火事が発生?! 慌てふためく人々の目の前にさっそうと現れたのは・・・ あらすじを漫画でどうぞ。 『建礼門院右京大夫集』<58番詞書>より 漫画は、原文を基にえこぶんこが脚色しています。 ◆解説目次◆ ・登場人物 ・近衛府は宮中の花形! ・清盛が最も信頼していた息子、重盛 登場人物 平重盛(たいらのしげもり) 平清盛の長男。維盛・資盛の父。 右京大夫(うきょうのだいぶ) 中宮・徳子に仕える女房。 近衛府は宮中の花形! 今回は少し時間を遡って、 右京大夫の恋人・資盛のお父さん、 平重盛 が活躍するお話です。 右京大夫集には「いづれの年やらむ、五節のほど」(いつの年だろうか、五節の頃)とありますが、この火事は記録が残っていて、安元元年(1175年)11月20日の火事のことではないかといわれています。 このとき重盛は、正二位。このくらいの高位になると、通常は武官の恰好をすることはなかったのですが、重盛は非常時とみて、ここぞとばかりに矢を背負って颯爽と現れたわけです。 「これでこそ、右近衛大将!」 とみんな、重盛の参上に安堵しました。 ・・・え? 火事に矢がいるのかって? (むしろ、ジャマでは・・・) 重盛は、近衛府の長官として中宮様をお護りします!という気概を見せたわけですね。 今回の話は、『平家公達草紙』にも採用されていて、そこではさらにグレードアップして、重盛は矢だけでなく 銀の籠手をつけて参上 したことになっています。火事に籠手は(略) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 近衛府 というのはその字のとおり、天皇の近き衛り、内裏の内郭諸門を警備しました。左近衛府、右近衛府の二つからなり、幹部( 大将・中将・少将 )は、宮中の花形ともいえる役職でした。 平安時代モノの漫画や小説に、よく 「中将さま」「少将さま」 と呼ばれる人が登場しますが、これは、 左(右)近衛中将、左(右)近衛少将 のことです。 近衛というからには屈強な武人だったのかというと、そういうわけでもなく、近衛中将(少将)は、名誉職のようなもので、 エリート貴族の出世コース となっていました。 実務を担当した近衛将監以下とは、はっ...