【平家物語】あらすじと見所!【これで平家が好きになる】

今回は特別記事です。

というのも、どうも巷では「平家=悪」のイメージが一定数あるみたいで…(泣)

なので今回は、平家ファンの目線で『平家物語』全巻を紹介する記事を書こうと思います。
では、さっそくどうぞ!

※ここで紹介するのは、「覚一本」です。
◆目次◆ ・驕れる者は久しからず?
・平家物語 各巻あらすじ紹介
・平家物語おすすめ現代語訳
・平家略系図

驕れる者は久しからず?

おそらくですね、「驕れる者は久しからず」という有名すぎるフレーズが独り歩きして、平家=悪のイメージに繋がっているんじゃないかと思うのですが。
ただ、『平家物語』を最後まで読むと、平家のことを決して悪く書いた物語ではないことがわかります。

確かに、「平家の悪行」と書かれてはいますが、これは、天皇家・摂関家・寺社に対する秩序を破ったという意味での「悪行」であって、一般的な意味での「悪」とはちょっと違います。
平家政権は、300年以上続いた平安京の王朝の秩序を短期間で覆したわけですから、そのこと自体が「悪」と言われてしまっているのです。
清盛自身の人柄は、情に厚い面も描かれていますし、日宋貿易等の施策については作中で評価もされています。

なお、清盛が病没するのは巻六で、『平家物語』覚一本は全十二巻(灌頂巻を含むと十三巻)ありますので、半分以上は清盛の子・孫世代のお話です。

『平家物語』は、清盛の子・孫世代についてはむしろ同情的で、おおむね美しく気高く優しい好人物に描かれています。
一ノ谷で討たれたり、壇ノ浦で海に沈んだりした平家の公達の多くは、まだ10代の少年や20代の若者でした。

平家物語を最後まで読めば、むしろ平家びいきになっちゃうと思うのですが、どうでしょう。

では、全巻あらすじをどうぞ!

平家物語 各巻あらすじ紹介

平家物語の各巻のあらすじと見所を紹介します。

【巻一】 平家の躍進
清盛の父・平忠盛は、鳥羽院に引き立てられ内昇殿を許される。嫉妬にあって闇打ちされかかるも、機転で回避。ますます重用される。
清盛は太政大臣にまで昇り詰め、公卿十六人、殿上人三十人余りが、高位高官を独占。二条院が崩御すると、その子の六条天皇はまもなく退位させられ、建春門院滋子(清盛の妻・平時子の妹)の生んだ高倉天皇が即位。後白河院の近臣は、平家の躍進を次第に疎ましく思う。

[祇園精舎・殿上闇打・鱸・禿童・吾身栄花・祇王・二代后・額打論・清水寺炎上・東宮立・殿下乗合・鹿谷・俊寛沙汰・鵜川戦・願立・神輿振・内裏炎上]

【見所】
平家物語の最初は、清盛の父・忠盛が、どうやって出世したかの話。身分社会にあっても差別に屈せず、機転でやりこめた話は痛快です。
△平家の嫡流五代

【巻二】鹿ケ谷の陰謀
清盛の子・宗盛に官を越された藤原成親は、西光、康頼らを俊寛の別荘に集め、平家打倒の計画を練る(鹿ヶ谷の陰謀)。
多田蔵人行綱の密告によってこれを知った清盛は、事件に関わった人々を処刑した。 清盛は、背後にある後白河院までもを幽閉しようとしたが、長男・重盛の説得によって思い留まる。

[座主流・一行阿闍梨之沙汰・西光被斬・小教訓・少将乞請・教訓状・烽火之沙汰・大納言流罪・阿古屋之松・大納言死去・徳大寺厳島詣・山門滅亡・善光寺炎上・康頼祝詞・卒塔婆流・蘇武]

【見所】
重盛が、法皇を幽閉しようとする父・清盛に、切々と朝恩を説く有名な場面。
鎧姿で今にも出陣しようとする者で溢れた西八条邸に、重盛が直衣姿で颯爽と現れるあたりは、まるで映画の一場面のように印象的です。


【巻三】治承三年の政変
高倉天皇の中宮・徳子(清盛の娘)が、待望の皇子を出産。(言仁親王=後の安徳天皇) 平家は栄華の頂点を迎えた。
清盛の悪心を懸念した重盛は、熊野に参詣し、自分の命と引き換えに、一族の繁栄が続くことを祈った。そしてその願い通りに、帰洛後まもなく他界する。
重盛亡き後、その所領を後白河院が没収した事などに憤った清盛は、後白河院派の四十三人の官職を止め、後白河院を鳥羽の離宮に押し込め院政を停止させた。(治承三年のクーデター)

[赦文・足摺・御産・公卿揃・大塔建立・頼豪・少将都帰・有王・僧都死去・つじかぜ・医師問答・無文・灯炉之沙汰・金渡・法印問答・大臣流罪・行隆之沙汰・法皇被流・城南之離宮]

【見所】
治承三年のクーデターは、領地や官職をめぐる政治的な抗争なのですが、その起因の一つとして、清盛が、
「重盛は後白河法皇に忠義を尽くしていたにも関わらず、重盛の四十九日の間に、法皇は少しも悲しむ様子も見せず、管弦の遊びに興じていた」
という非常に心情的な理由を挙げていることに、父親としての重盛への想いが感じられます。
△熊野参詣の帰路、岩田川で水遊びする小松家兄弟

【巻四】以仁王の挙兵
高倉天皇が譲位し、徳子の産んだ安徳天皇が三歳で即位。これに不満を抱く後白河院の皇子・以仁王のもとに、源頼政が訪れ平家打倒を勧めた。
以仁王は、東国の源氏に、平家打倒を呼びかける令旨を出す。 この動きが平家側に洩れたことを察知した頼政は、以仁王を園城寺に逃がす。
以仁王は、興福寺の衆徒と合流するため奈良に向かうが、 途中、平等院で休んでいるところに、平家の軍が追いついて戦闘になる。頼政は討たれ、以仁王は、南都に逃げる道中で落命した。

[厳島御幸・還御・源氏揃・鼬之沙汰・信連・競・山門牒状・南都牒状・永僉議・大衆揃・橋合戦・宮御最期・若宮出家・通乗之沙汰・鵺・三井寺炎上]

【見所】
平家物語で初めに出てくる本格的な合戦シーン。足利忠綱が、大音声をあげて号令をかけ、三百余騎が、一騎も流されず対岸へざっと渡ったシーンは、迫力満点です。

△脱出する以仁王

【巻五】富士川の戦い
平家は、安徳天皇と高倉院、後白河院を福原に遷幸させ、遷都を強行。
一方、平治の乱の後伊豆に流されていた頼朝の元へ、文覚が訪れ、平家打倒を勧める。
頼朝の挙兵の知らせを聞いた平家は、維盛を大将軍、忠度を副将軍として、三万余騎の追討軍を出発させた。
両者は富士川を隔てて陣を取っていたが、夜半、一斉に飛び立つ水鳥の音に驚いた平家軍は、戦わずして敗北してしまう。 (富士川の戦い)
富士川の合戦の敗北を受け、清盛は福原遷都を断念。都を京へ戻す。
不穏な動きを見せる南都に対し、清盛は重衡を総大将として討伐軍を派遣。結果的に、東大寺・興福寺を壊滅させ、創建以来の大仏も焼失してしまった。(南都焼討)

[都遷・月見・物怪之沙汰・早馬・朝敵揃・咸陽宮・文覚荒行・勧進状・文覚被流・福原院宣・富士川・五節之沙汰・都帰・奈良炎上]

【見所】
富士川の合戦に敗れた平家は、次第に追い詰められていきます。
南都焼討は、やむを得ない結果であったとはいえ、仏敵の罪を背負うことになった重衡の運命に大きな影を落とします。

★余談★
富士川の合戦に関しては、総大将の維盛がボロクソ言われることが多いので、維盛ファンとして擁護します!「大軍を率いながら、水鳥の羽音に怯えて逃げた」は、あくまでも『平家物語』での話。
実際には、アテにしていた駿河・遠江の平家勢力が既に甲斐源氏によって壊滅しており、さらに離反も相次いで、富士川に布陣したときには、平家軍は数万どころか千騎ほどしかいなかったそうです。
現状での追討は不可能と見て、平家軍は自主的に撤退した、というのが事実のようです。
(『玉葉』『山槐記』)

△撤退を渋る維盛(『玉葉』)

【巻六】清盛の他界
治承五年、高倉院が崩御。 そのころ、信濃の木曽義仲が挙兵、続いて、河内や九州・四国一円で、反平氏の狼煙が上がる。
そんな中、清盛が熱病に倒れ、他界。六十四歳だった。

[新院崩御・紅葉・葵前・小督・廻文・飛脚到来・入道死去・築島・慈心房・祇園女御・しわがれ声・横田河原合戦]

見所
高倉上皇の崩御、清盛の他界は、平家政権の崩壊を決定づける出来事でした。
高倉上皇は、この時まだ21歳。その優しい人柄を回顧する記事が挟まれます。



【巻七】平家都落ち
京に攻め上がろうとする木曽義仲に対し、平家軍は、維盛、通盛を総大将とした十万余騎の大軍で追討に向かう。
 義仲は、四方を岩山に囲まれた場所に平家軍をおびき寄せ、奇襲をかけて谷底に追い落とした。(倶利伽羅峠の戦い)
義仲の京への進軍を前に、平家は一旦都を離れる計画を立てる。しかし、土壇場で、同行させる予定だった後白河院と摂政に逃げられてしまう。
こうして、平家の正当性を主張しうるものは、持ち出した三種の神器と、幼い安徳天皇だけとなってしまった。

[清水冠者・北国下向・竹生島詣・火打合戦・願書・倶利伽羅落・篠原合戦・実盛・玄ぽう・木曽山門牒状・返牒・平家山門連署・主上都落・維盛都落・聖主臨幸・忠度都落・経正都落・青山之沙汰・一門都落・福原落]

見所
平家都落ちに際しての、それぞれの別れの哀話が胸を打ちます。
・苦難の道のりに同行させるよりは、とあえて妻子を都に残していった維盛
・戦場の塵にするには惜しいと、青山の琵琶を仁和寺に返した経正
・一首でも遺ればと、師である藤原俊成に歌集をたくした忠度

文化的にも優れた人物が多かった平家の公達は、惜しまれながらも都を去っていきました。

【巻八】西国の平家、都の義仲
後白河院は、義仲・行家に改めて平家追討を命じる。 平家は一旦大宰府を拠点としたが、ここも追われ、讃岐屋島へ。 義仲は追討軍を派遣したが、勢力を取り戻した平家軍に敗れる。(水島の戦い)
一方都では、義仲軍の横暴に対し、後白河院が義仲追討を決意。 これを受けて、義仲は院の御所に攻め入る。義仲は一時的に束の間の権力を掌握した。

[山門御幸・名虎・緒還・大宰府落・征夷将軍院宣・猫間・水島合戦・背尾最期・室山・鼓判官・法住寺合戦]



【巻九】一の谷の戦い
頼朝から義仲追討の命を受けた義経、範頼軍が京に向かって出陣。宇治川の水量に行く手を阻まれるも、突破。
六条河原から出陣した義仲は、乳母子の今井兼平のいる勢田に向かい、合流。 最後の戦いを前に、女武者・巴を逃した。義仲は、粟津の松原で自害しようとしたところを、郎等に矢を射られてしまう。義仲の最期を知った兼平は壮絶に自害。
勢力を取り戻し福原に集結していた平家軍を討つため、義経・範頼軍が出発。 義経軍が鵯越の背後から、一気に駈け下り、奇襲をかけたので、平家軍は総崩れとなった。(一ノ谷の戦い)
忠度、経正、敦盛、知章、通盛、師盛など、平家の多くの公達が討たれ、重衡は生け捕られた。

[生ずきの沙汰・宇治川先陣・河原合戦・木曾最期・樋口被斬罰・六ヶ度戦・三草勢揃・三草合戦・老馬・一二之懸・二度之懸・坂落・越中前司最期・忠度最期・重衡生捕・敦盛最期・智章最期・落足・小宰相身投]

【見所】
一ノ谷の戦いでは、名だたる平家の公達が次々と討たれてしまいます。

討たれた後、箙につけられていた一首の和歌から、その人とわかった忠度
名を問われても答えず、毅然と立ち向かった敦盛
父をかばって命を落とした智章
助け舟に乗ろうとしたもう一人を助けようとして、転覆し、討たれた師盛
討たれる直前まで、最愛の妻のことを気にかけていた通盛

平家の人々は、気高くも美しく、それぞれに矜持を見せて散っていきました。

平師盛、平敦盛、平知章、一ノ谷の戦い
△一の谷の戦いで散った、10代の公達

【巻十】維盛の入水、重衡の海道下り
一ノ谷で討たれた平家の人々の首は、京に送られ、獄門にかけられた。
捕虜となった重衡は、鎌倉に下向し頼朝に対面。毅然とした重衡の態度に、人々は感心した。
一方維盛は、都に残してきた妻子への思いが断ち難く、屋島を脱出。 都に入ることはせず、高野山へ向かう。かつて父に仕えていた滝口入道の導きで、高野山を巡礼。その後、熊野に参詣し、那智の沖で入水する。

[首渡・内裏女房・八島院宣・請文・戒文・海道下・千手前・横笛・高野巻・維盛出家・熊野参詣・維盛入水・三日平氏・藤戸・大嘗会之沙汰]

【見所】
平家の二大イケメン維盛重衡の巻です。
都に残した妻子への想いを断ち切れず、苦悩する美貌の公達・維盛
捕虜になって尚、毅然とした態度を貫いた、誰からも愛される好青年・重衡

平家を代表する公達二人の、それぞれの物語です。


【巻十一】壇ノ浦の戦い
義経は、屋島の平家軍を追討するため、京を出立。三日要する航路を六時間で渡った義経は、屋島を急襲。平家軍は長門国に撤退した。(屋島の戦い)
三月二十四日、長門国壇ノ浦で、ついに最後の決戦が始まった。はじめは平家軍が優勢だったが、阿波重能が源氏に寝返ったのをはじめ、次々と有力武将が寝返り、平家の敗戦は決定的となる。(壇ノ浦の戦い)
安徳天皇を抱いた二位尼(平時子)は、神璽と宝剣もろとも、入水。建礼門院徳子も後を追って入水するが、源氏に引き上げられてしまう。
教盛、経盛兄弟はともに入水。資盛、有盛兄弟と従兄弟の行盛も手を取り合って入水した。教経は、義経を追うが逃げられ、源氏の武士を両脇に抱えて入水。知盛は、平家の最期を全て見届けてから入水した。 宗盛、清宗親子は入水したものの、お互いを気遣って浮かんでいるところを生け捕られた。
義経は宗盛父子を伴って鎌倉に向かうが、義経に危機感を抱いていた頼朝は、鎌倉に入ることを許さなかった。
宗盛父子は、近江篠原で斬首され、一ノ谷の合戦で既に捕虜になっていた重衡は、木津で処刑された。

[逆櫓・勝浦・付大坂越・嗣信最期・那須与一・弓流・志度合戦・鶏合・壇浦合戦・遠矢・先帝身投・能登殿最期・内侍所都入・剣・一門大路渡・鏡・文之沙汰・副将被斬・腰越・大臣被斬・重衡被斬]

【見所】
平家の特筆すべきは、(頼盛を除いて)最後まで一門から裏切り者を出さなかったところではないでしょうか。 身内で闘争をすることなく、最後には兄弟手を取り合って海に沈んだところに、平家らしさを感じます。
巻十一の最後は、重衡と妻の悲しい別れの物語。処刑される寸前に、髪の毛を口でちぎって、せめてもの形見にと妻に渡す重衡は、とても悲しくそして美しいです。



【巻十二】平家残党狩り
京を大地震が襲い、人々は平家の怨霊だと恐れた。
頼朝は、義経追討を決意し、刺客を派遣するが失敗。範頼も忠誠を疑われ、ついには処刑された。
一方、苛烈な平家残党狩りが行われ、平家の嫡流・六代もついに捕らえられる。今にも処刑されようとするところを、文覚の活躍により、一旦は救われる。
出家して修行の日々を送っていた六代だったが、流罪になった文覚の庇護を失うと、鎌倉まで連行され、川のほとりで処刑された。

[大地震・紺掻之沙汰・平大納言被流・土佐房被斬・判官都落・吉田大納言沙汰・六代・泊瀬六代・六代被斬]

【見所】
維盛の子・六代(美少年)が、残党狩りによって連行され、処刑されそうになるお話。
まだ12歳であるにも関わらず、敵に弱みを見せず、従容と運命を受け入れようとする姿が美しくも痛ましい。六代はこの時は一旦助かるのですが、結局後には処刑されてしまします。
この六代の斬首をもって、平家断絶として、平家物語本編は幕を閉じます。

巻十二を読むと、合戦がいかに非情なものであったかを思い知らされます。

【灌頂巻】建礼門院の祈り
壇ノ浦で生き残ってしまった建礼門院徳子は、都に戻され、東山の麓・吉田の僧坊で出家した。しかし、大地震でここが崩壊したため、さらに山奥の大原の寂光院に移る。 ここで一門の菩提を弔い、念仏に明け暮れる。
文治二年四月、ここを後白河院が訪れる。(大原御幸)
建久二年、建礼門院は、二人の尼に看取られながら、静かに往生を遂げた。

[女院出家・大原入・大原御幸・六道之沙汰・女院死去]

【見所】
あまりにも過酷な平家の最期に、宗教的な救いを与える、エピローグ的な巻。
無惨に散っていった平家一門の人々、彼らの無念も、きっと建礼門院の供養によって救われただろう、そして、建礼門院自身も、御仏に導かれて救われたことだろう…
という穏やかな読後感を残して、『平家物語』(覚一本)は幕を閉じます。



平家物語おすすめ現代語訳

この記事で紹介したあらすじは、平家物語の覚一本です。
南北朝時代、当時琵琶法師のトップであった明石覚一(足利尊氏の従弟)が、弟子のたちの為のテキストとしてまとめたものです。
諸本中もっとも文芸的に優れていると言われ、キャラが立ち、物語はドラマチックに、感動的に描かれていますので、現代の小説を読むのとそんなに変わらない感覚で楽しむことができます。

★オススメ書籍★

覚一本の原文と現代語訳を文庫で読むなら…
「平家物語 全訳注」(杉本圭三郎氏)講談社学術文庫


新版 平家物語(四) 全訳注 (講談社学術文庫)


覚一本は読みやすいのですが、とはいえ長いので、好きな巻から読む方法もおすすめです。
個人的には、やっぱり木曽義仲が京に向かってくる巻七あたりからがグッと緊張感がでて面白くなると思っています。
そして平家の二大イケメン(重衡・維盛)を堪能するなら、巻十をぜひ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

現代語訳だけをもっと簡潔に読みたいという方にオススメ!
「吉村昭の平家物語」(講談社文庫)


吉村昭の平家物語 (講談社文庫)


文庫本一冊で「平家物語を通読できる」と言っても過言ではない、お得な本。

平家物語が長いのは、仏教説話めいた部分や、話が派生する部分が結構あるからです。それらをそぎ落として、主軸のストーリーのみを残して現代語訳したのがこちらの本。

小説のようにアレンジを加えたりすることなく、あくまでも原文をもとに丁寧に訳されていますので、平家物語の世界観はそのまま味わうことができますよ。
おすすめです。


平家略系図

平家略系図平氏系図平家物語



※平家物語諸本と、登場人物については、こちらの記事も参照ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

次回は、再び、建礼門院右京大夫集あらすじ漫画です。



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※参考文献/『平家物語』新日本古典文学大系、岩波書店/『平家物語』新編日本古典文学全集、小学館/『平家物語大事典』東京書籍/杉本圭三郎氏校注『平家物語全訳注』講談社/『平家物語図典』小学館/ 川合康氏編『平家物語を読む』吉川弘文館/


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【建礼門院右京大夫集あらすじマンガ】
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■忘れていたのはどっち?資盛の挑発
■雪のあした。資盛、突然の訪れ
■バレたくなかった!重衡・維盛の反応 1
■右近の橘!雪の資盛

<宮中エピソード編>
■内裏近き火事。頼もしい平重盛
■後白河院最愛の美女!建春門院滋子登場
■本気で褒めたのに!高倉天皇の優しさ
■五節の櫛!平宗盛のプレゼント

<隆信との恋編>
■どういうつもり!藤原隆信の横恋慕 1
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■わたしは何なの?隆信の結婚
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<平家滅亡編>
■遠くに聞くだけ。資盛の熊野詣
■資盛との再会■枯れたる花
■寿永二年■倶利伽羅峠の惨敗!
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■資盛と右京大夫、今生の別れ!
■六波羅と西八条■大宰府落ち
■戦地の資盛の夢を見る
■梅の花と資盛■一の谷の合戦
■重衡の生け捕り■維盛の入水
■屋島の資盛へ手紙を
■資盛からの最後の便り!
■壇ノ浦の戦い! ■壇ノ浦の戦後処理

<追憶の旅編>
■北山の思い出
■大原へ。建礼門院を訪ねて 1
■右京大夫、旅に出る
■比叡坂本、雪の朝の思い出
■波の底の資盛に■星合の空

<再出仕編>
■後鳥羽天皇に仕える
■宮中で資盛の名を聞く
■藤原隆房、藤原公経との贈答
■藤原俊成九十の賀に

<エピローグ>
■読み継がれる右京大夫集

【コラム】
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